「AIによって人間は仕事を奪われる」そんな言葉を、誰もが1度は聞いたことがあると思います。
現に業界を見ると、人間の代わりにAIが仕事をする現場も多いです。
そんな「AI社会」が到来していく中で「営業職」は、どんな対策が求められるのでしょうか。
今回の記事では営業職がAIと、どう向き合っていけば良いのかを紹介します。
営業という職種はなくなる?:AI時代に生き抜く営業マンの特徴3選
AIって何?
そもそもAIとは何なのでしょうか。
AIとは人間の「振舞い」の1部をソフトウェアを用いて、人工的に表現したモノです。
コマンドを打ち込むことで、状況に柔軟に対応できるようにしていくのが目的となります。
人間と同等、それ以上の知性を持たせることで作業の効率化を図ったり、できない仕事を行わせるのが目的で生みだされた存在です。
AIによって営業はなくなるのか?
AIによって営業はなくなるのでしょうか。
結論から言うと「営業の仕事丸々がAIに取って代わるわけではないが、吸収される仕事も出てくる」です。
以下では、AIによって淘汰される営業の仕事と、必ずしもそうとは言えない仕事を取り上げていきます。
こんな営業の仕事はAIによって吸収される
AIによって、吸収される営業の仕事の例として挙げられるのは「商品紹介」があります。
顧客の所へ直接出向き、商品の紹介や使い方をレクチャーするのは時代遅れになるかもしれません。
何故なら、AIはありとあらゆる接客パターンや説明の仕方をコマンド入力すれば、大概の状況には対応できるからです。
また、直接行かなくてもインターネットを介して説明もできるため、出向く必要がありません。
「飛び込み営業」や「テレアポ」「御用聞き営業」といった仕事がなくなる可能性があります。
それに伴って、ただ単に商品の説明や勧誘をするだけの営業マンは、必要とされなくなると言う可能性も出てきます。
AI時代を生き抜ける営業マン①:臨機応変な対応ができる。
AIにはあらかじめ、コマンドが入力されており、想定内の事態には対処できるように作られています。
しかし、人間誰しもが同じ行動や考えを持っているわけではありません。
1人1人に個性や考えがあるため、生じる結果は千差万別となります。
AIは、そうした想定外の事態に対処する能力にはまだまだ心許ないです。
では、臨機応変な事態に対応するためにはどうすればよいのでしょうか。それは「顧客の心をじっと見ること」です。
相手が何を求めているのか、どんな会話をすれば落ち着かせることができるのかを相手の所作や言動から注意深く観察して、実行します。マニュアルに書かれた応対に頼り切るのではなく、自分の目と耳で知り得た情報をもとに、顧客と向き合います。
そんな応対を実現できる営業マンこそがこれからの時代では必要となってくるのです。
AI時代を生き抜ける営業マン②:コミュニケーションスキルに優れている
コミュニケーションとは、話す側と聴く側の双方の同意があって、はじめて成立します。
相手が何を思っているのか、どんな言葉を返せば、心地よい気持ちにさせることができるのかを考えていく力は、AIが持ちえない人間だけのものとなります。
では、コミュニケーションスキルを磨くためには何ができるのでしょうか。それは営業マンが顧客の「アシスト」役に徹するということです。
「あくまで契約を決めるのは顧客」というスタンスの元で、顧客が自分の気持ちに素直になって言いたいことを言える雰囲気作りだすことが大切になります。
そのためにはどうするのか。それは「待ち」を大切にすることです。
人間は「沈黙」を避けたがる傾向にある生き物です。
沈黙することが「悪い」と考えている節があるため、無理やり話してしまい結果、更に空気が気まずくなります。
しかし、沈黙は相手が言いたいことを決めるために作り出した大切な時間と捉えてみてください。
だったら、その貴重な時間を無理やり壊してしまってはいけません。
タイミングをよく考慮した上で、できる限り、相手が話してくれるのを待つ姿勢を大切にしましょう。
AI時代を生き抜ける営業マン③:専門知識に精通している
専門知識と言われると、それは、AIにも備わっているのではないかと思った人がいると思います。
しかし、専門知識とは必ずしもネット上に存在する情報だけを指すのではありません。
直接人から得た情報であったり、本や雑誌、新聞やテレビなどのネットの外にある所から手に入れた情報なども含まれます。
そして、顧客の「性格や考え方、歴史、個性」も専門知識の1つです。
顧客という言葉で一括りにしてしまうのではなく、1人1人が歩んできた歴史や個性があることを熟知することで、より深い関係を築いていけることにも繋がっていきます。
商品やサービス、業界情報についての理解を深めることも大切です。
しかし、商品やサービスを受け取るのが人間である以上、人に関する理解を深めておく必要があります。
人間について学ぶことを辞めた営業マンは、AI時代を生き抜くのは難しいです。
AIを協力者とみなせるかどうか
AI時代における営業職の在り方を紹介しました。
ただ、私はAIを全面的に否定するつもりはありません。
人間が、より良い社会を築こうとした結果生まれたのがAIです。
だからこそ、その能力を活かさないともったいないと思います。
今後の営業活動にあたっては、人間は専門知識や関係構築のスキルを磨きつつ、雑務等をAIに任せる、いわゆる「営業補佐」として扱うことが求められてくるでしょう。
敵と見なすのではなく「より良い協力者」として共に歩んでいく姿勢が必要となってきます。