営業活動において、何よりも大切なのが「信頼」を築くことです。営業マンを信じ「この人なら安心して任せられる」と思ってもらうことが必要になります。
特に「人生」や「命」に対する「保障」を扱う「保険営業マン」にとっては、相手からの信頼を得ることができないと、交渉そのものが成り立たなくなってしまうからです。
今回の記事では保険営業における、信頼が生まれる仕事術、主に「話術」について紹介します。
生命保険の営業なら覚えておきたい│高年収で信頼が生まれる人の仕事術
覚えておきたい仕事術①:オープンクエスチョン
オープンクエスチョンとは、Yes/Noの二者択一では答えられない質問のことです。いわゆる「クローズクエスチョン」の「はい」か「いいえ」の二つの応答しかない質問と真逆で、答えられる範囲が広い質問形式のことです。
情報を引き出すという点では、クローズクエスチョンだけでも事足りると考える人もいるかもしれません。しかし、与える印象が違ってきます。
「目の前の人は、ただ商品を売りたいだけであって、私の事情なんて考えていない」「2パターンしかないから、答えていてもつまらないし、疲れる」と思わる可能性が高いです。
よって、クローズクエスチョンもやりすぎてしまうと相手に「拒否感」を抱かれてしまいます。
しかし、オープンクエスチョンは違います。オープンクエスチョンは、会話の方向性を相手の回答に委ね、そこから幅を広げるための質問です。
クローズクエスチョンとは違って、主導権が顧客にあるので相手のペースで会話を進めることができるメリットがあります。
何よりも「顧客=自分」のことを知りたいと思って、相手が問いかけてくれていると思い心の壁や不信感が薄れていくでしょう。
顧客の信頼感を得ることができるのがオープンクエスチョンです。
覚えておきたい仕事術②:バックトラッキング
バックトラッキングとは、自分の余計な解釈は入れずに同調しながら、相手の話した言葉をそのまま返すことです。
顧客が意見を言ってきても、営業トークに夢中になって会話が一方通行になってしまうことがあります。特に保険は売った後も「見直し」や「商品」切り替えの交渉が入ってくるので、どうしても成功させたいと思い自分のことだけしか見れなくなってしまう可能性が高いです。
そこで、バックトラッキングの出番となります。
ポイントは機械的に返事をするのではなく、相手に気持ちよく、テンポ良く話してもらうことを目的とするのが大切です。
作業的に顧客と話をしているのではなく、ちゃんと顧客のことを分かったうえで、営業交渉に来ているのだということを知ってもらうことが条件です。
バックトラッキングを挟むことで、顧客がメインとなって話をしていける雰囲気を作れます。
覚えておきたい仕事術③:両面提示
信頼を得るための、第一歩として挙げられるのが「弱み」を相手に示すことです。弱みを隠すのではなく、敢えて相手に提示することで、信頼を得ることが目的となります。
何故弱みを見せることが、信頼を得ることへと繋がるのでしょうか。それは、人間、良い所ばかりを説明されたらかえって疑念を抱く生き物だからです。
「良いことばっかり言っているけど、そんなうまい話があるのか」「何か不都合があるのを隠すために良いことばかりをいって、煙に巻こうとしているのではないか」と、そう思われたら、交渉はうまく行きません。
だからこそ、短所を言うことが必要になります。
そもそも、保険営業とは一人ひとりの人生設計にあった商品を紹介するのが目的です。だから、通り一辺倒でやっても顧客の心には響きません。短所を言うことで、かえって、顧客の選択を広げることができることが予測されます。
「この商品はこんなデメリットがあるけど、それは許容範囲内なのか、否か」「親切にデメリットがあることを教えてくれた。好感が持てる」と思ってもらえたら、次のステップへと進めます。
一方通行に営業マンが商品を勧めるやり方ではなく、顧客と一緒になって考えていける態勢ができるので、互いに納得して交渉に進めることができるでしょう。
覚えておきたい仕事術④:肯定法
肯定法とは、その名の通り相手の発言をそのまま受け止める話術のことです。ポイントは、相手が抱える悩みや不安も肯定する姿勢を見せることにあります。
「私、保険のことは正直全く分かりません」「おっしゃる通り。中々想像しにくい世界ですよね。だからこそ、今日のこの機会をきっかけにその世界を覗いてみませんか」というやり取りがあったとします。
ポイントは、営業マンが顧客の立場に立ちながら意見を肯定することです。営業マンがそう心がけることで、やわらかい印象を顧客に与えることができます。
そして、顧客の共感を得ることができた後は「どうして分からないのか」「何を不安に感じているのか」と言ったことを掘り下げます。そこから話題を発展させていくことで、顧客に合った保険商品を紹介していくまでに持っていきましょう。
インセンティブアップのコツは顧客手動の会話になるよう導くこと
保険営業なら覚えておきたい信頼が生まれる人の話術を紹介しました。それぞれのやり方に共通していることは、会話の主導権をできる限り顧客に委ねるというものです。
顧客あってこその営業であり、商品が存在していると言えます。なので、顧客のことを大切に思えない営業マンは信頼されません。これからの時代は、いかに顧客を安心させ、喜んでもらえるのかどうかを考えていける営業マンが生き残っていけるといえるでしょう。