自分は仕事では資材購買マンをやっていたので、営業マンの対応はしていましたが実際に営業活動はしたことはありません。何十年と仕事をしてきて自分や同僚の仕事を見ていて感じたことを書こうと思います。
全ての基本になるのは商売道徳だと思います。資材の新人研修でも仕事ができるようになる前に大切なのは仕入れ先に人格として認められることであるという教育を受けました。利益とは自分だけが儲けるのではなくウィンウィン双方にとってメリットのある取引であるべきだと考えます。
生命保険の営業マンも参考に!うまくいかない営業の嫌われる取引先への対応5選
嫌われる取引先への対応① 杓子定規に納期絶対で相手を責める
仕事の納期には無理なものが沢山あります。短納期なものは仕事に無理が生じてミスや不具合が多く出るものです。資材の仕事で、部品が納期通りに納入されないと、頭から怒鳴りつけている女の子もいましたが、納期自体が無理難題で怒鳴りつけられてはたまったものではありません。進捗でも仕入れ先に無理な納期を言いつけて自分はさっさと帰ってしまっている子もいました。
納期が間に合わない時は、まず仕入れ先にヒアリングするか訪問して、何が原因なのか、何が悪さしているのか徹底的に追及して、一緒になってその問題に取り組み、解決法を考えることが求められます。自分が机に座って入れろ入れろと怒っていれば部品が入ってくるわけではありません。納期の調整はできないか、後ろにずらすことはできないか、分納はできないか、あらゆる手を尽くして仕入れ先とともに取り組むべきだと思います。仕事はどちらか一方が相手にさせるものではなく、互いに責任を分かち合いながら勧めていくものであると考えます。
嫌われる取引先への対応② 取引先の話をよく聞かない
たとえば、部品メーカーとの商談では、メインの価格交渉以外にも色々な話題が出てきます。技術的な話や会社自体の方針、経営の話、商品についての資料の交換や業界の最先端技術の話など無駄な時間はほとんどありません。資材の先輩でメーカーが技術的なパンフレットを渡して一生懸命説明をしても、価格交渉が終わればほとんど聞かずに流してしまったり、少しでも有利に価格交渉を進めようと仕事を引き上げる脅しで価格低減をせまったり、これではいけません。
コストアップ要求でも、多少のことなら仕入れ先は要求しても聞いてもらえないので我慢してしまいます。我慢しきれなくなった時、初めて要求してくるわけですから、そのときには対応してあげなくてはなりません。足元を見て、コストアップの資料を明後日まで提出してくださいなどと無理な要求をしている資材マンも居ましたが、仕入れ先は利益を左右するので徹夜してでも何でも作ってきます。そんな資料は粗くグロスなことが多いのでまた精査しなくてはなりません。ちゃんと時間を与えてしっかり調査し適切な価格を上げてあげなくてはなりません。そういう非常事態に陥った時、営業マンも資材マンも資質が問われます。要注意ですよ!
嫌われる取引先への対応③ 渡す資料が正確でない
営業マンと仕事を進めるうえで、自社のデータや状況を資料にしてまとめなければならないときがあります。営業マンはその資料に基づいて営業計画や今後の方針を決めていくわけですから、データは正確なものでなくてはなりません。部品の購入総額の積み上げが、しっかり仕入れ先の売上額と合致していること、これは最低条件です。提出するたびに総計や金額がころころ変わってしまう資料では営業マンも使うことができません。
逆に相見積もりのときでも、営業マンが最初からベストコストで勝負してくる見積もりの方が、相手の動向を見て徐々に値段を下げてくる見積もりよりも受注の確率は高いです。前に相見積もり入札の時、他社の価格を聞いてきてそこより安くするからうちに受注をなんて営業マンがいましたが、自由競争において他社につられてコストを出すなんてところは政策受注の可能性が高いし、いざ納品の段階で無理をしていることが多いので、品質不良だったり不具合が起きることも多いのです。出した数字に責任を持つ、これ鉄則ですよ!
嫌われる取引先への対応④ 相手の状況を見ないで、自分の提案や要請を行う
企業は毎回堅実に業績を上げられているわけではありません。何かの要因で、例えば今ならコロナでとか業績が振るわないときが出てきます。そのときはそれに応じた対応をしてあげなければなりません。資材の大切な仕事にコストダウン要請があります。ですが杓子定規に搾り取るのではなく、相手が業績が悪い時は1半期くらい待って半年後1年後にコストダウンを刈り取るというのもノウハウです。
冗談ですが、或る仕入れ先に100万円のコストダウンの要請をしていて、営業マンが「すみません、うち今期20億の赤字なんです。少し待ってもらえませんか?」資材マン「20億の100万なら大して変わりませんね。100万コストダウンお願いします。(大爆笑)こんな資材マンでは取引先が持ちません。(笑)本当に刺されますよ!傷口に塩を塗るような真似はしてはいけません。最初の研修であった取引先に人格として認められること、大切だと思います。
嫌われる取引先への対応⑤ 自分の立場におごって傲慢な態度や振る舞いをする
資材購買マンは、商品を買う立場です。営業マンは商品を売る立場です。営業マンが腰が低いのは資材マンが偉いわけでも何でもなく、ものやサービスを買ってもらいたいからていねいな態度や顧客を不愉快にさせない態度をとるわけです。立場としては一緒、営業マンに対して失礼な態度や勝手なふるまいをしていたら、営業マンだってひどいことをしてきます。下手したら取引打ち切りなんて事にもなりかねません。購買マンの立場を利用して、営業マンがこぼしていましたが、いつもお昼時になると用もないのにやってきて世間話して食事をごちそうになりに来る。営業マンはいつも資材マンの相手はしてられません。自分の仕事もあるし顧客は自分だけではありません。仲良しクラブではなくあくまで仕事でつながっていることを肝に銘じなければなりません。
接待はあくまで仕事を円滑に進めるためのもの、それ自体が目的では決してありません。そういうもので抱きこまれない、常に自分と取引先をフィフティフィフティの関係にしておくのも、取引を続けるうえでは大切なことです。
生命保険の営業として給料アップを目指すなら、プロとして道徳観をもって行動しよう!
全ては商売道徳を守っているかどうかだと思います。会社対会社の関係は人と同じ、企業は人です。誠実に接して取引して入れば、良好な関係が築けますし、不条理なことをしていればトラブルにも発展します。キチンとしている取引先に嫌われたら、そのデメリットは計り知れないものがあります。
自分も取引先も社会も自分たちのビジネスで得をする、三方一両得そんな取引を心がけたいものです。一人の商人、ビジネスの種をまく、いつも勉強し、色々なことに気づき、毎日を過ごすことによって生活を豊かにしていく、儲けるのは金だけではありませんよ!