履歴書を書く上で、自己アピールにつながる資格を持っているときは、資格欄に書くと大きな武器になります。逆に、資格欄を埋めるだけの資格を持っていない場合は、上手に自己アピールしていくことが大切になります。
保険営業に役立つ資格なら積極的に書いてアピールしていきましょう。
資格名は相手に伝わる名称であればOK
全般に言えることとして、正式名称で資格を書くべきとしている就職転職サイトもありますが、相手に伝われば略称でも差し支えありません。例えば、英検は実用英語技能検定が正式名称ですし、FPはファイナンシャル・プランニング技能士ですが、略称で書いたことを理由として不利に扱われることはありません。ただし、資格の合格とは別個に登録などといった手続きのある資格については、合格しただけなのか登録済みなのかといったことは正しく表記する必要があります。
簿記の資格も表記に気を付けるべきで、日商簿記の合格なのか全商簿記の合格なのかはわかるようにしておきましょう。なお、日商簿記の正式名称は「日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験」といいます。いくら正式名称で書くのが正しいといわれても、これでは冗長すぎるので日商簿記と省略して差し支えありません。英検やFPといった資格が相手にわかる範囲で略称による表記をしていいのも同じ理由です。
運転免許は生命保険営業マンの必須アイテム!?
まず、自動車免許ですが、とりわけ地方で営業活動をする場合は持っていることを前提に選考が進められる場合もあります。このことから、持っている場合は必ず書いたほうがいいでしょう。現在は社用車でもAT限定の免許でさしつかえないことが多く、雇用形態によっては営業社員個人の車を利用するためMTの免許まで求められない場合が多くあります。AT限定の免許だからと言って不利になることはありません。
違反歴がない場合は安全運転できるアピールになりますので、その旨書いてもよいでしょう。大型免許や二輪の免許は、そこまで書くことを求められていないので原則としてあえて書く必要はありません。趣味欄にドライブやツーリングを書き、就職面接試験において自身の人となりをアピールする場合はこの限りではありません。
一方、漢字検定やフラワーアレンジメントを始めとした営業活動に直結しない資格は、級や難易度、国家資格や民間資格の種別にかかわらずアピール材料になりにくいので、書く価値はありません。保険の営業では、こうした知識が必要になる場面が少ないです。履歴書に書いても空欄を埋めただけの価値しかありません。
保険と全く関係のない資格を履歴書に書く求職者は、まじめに志望していないとマイナスの評価を受ける恐れすらあります。資格マニアであるというマイナスの評価を受ける可能性がありますので、職歴欄や職務経歴書などで、前職で資格が必要とされていたため危険物取扱者を取得したと記載するようなケースを除いて書く必要がありません。
生命保険の営業に有利になる?ならない?資格
もちろん、知識や技能が保険営業で直接的・間接的に活かせる資格は履歴書に書いてアピールしていきましょう。
たとえば販売士の資格は営業よりも小売りや流通で有用な資格ですが役に立ちます。3級であってもマーケティングや接客の基本知識を持っている証明になります。BtoCの能力がある指標として示すことができますし、難易度も低いため余裕があればチャレンジするのもよいでしょう。社労士や行政書士といった難易度の高い資格も、試験の合格のみで登録していない場合でも保険営業に生かせる範囲でアピールすることで人事評価が上がります。
英検やTOEICなどの英語の能力を示すものは、日本人への営業活動を念頭に置いている場合は履歴書に書くにはアピールの弱い資格です。逆に、生命保険の契約者や受取人を国籍問わず開拓していきたいという意欲がある場合は、有力な資格になります。
日本に住む外国籍の方にとって、日本国内で保険に入るという需要はこれから高まる可能性があります。保険会社への就職活動をする際に、企業研究の段階で外国人への営業を積極的に行っているか下調べしたうえでアピールしていくことは効果的です。
生命保険の営業に有利なFP(ファイナンシャルプランナー)の資格でアピールしよう
FPの資格は保険営業に直結するので、もちろん積極的に記載していきましょう。3級であっても、就職試験の段階では高い評価を受けます。FP2級は、もちろんさらに高い評価を受けますが、受験資格の一つが2年以上の実務経験であることから、保険会社に合格してから挑戦して差し支えない資格であることがわかります。
国家資格のFPの資格のほかにもAFPという資格があります。この資格はFP2級の取得者でないと受験資格がない他、講習の受講が必要といった特徴があります。この他に、最近は投資診断士という資格もできました。国家資格ではありませんが、資産運用にかかわる知識があることをアピールできますし、学歴や実務経験がなくでも挑戦できますので、余裕があれば取得してもいいでしょう。
就職後の資格取得で人事評価アップも
保険会社に就職してから取得できる資格もあります。
一般課程や専門課程といった資格は、生命保険会社に所属した身分で受験する資格です。個人受験はできませんが、保険営業を仕事にする上で不可欠の資格です。さきほどのAFPの資格を含め、保険会社に就職してから必須な資格や役に立つ資格に挑戦する場合は、受験費用や講習の受講費用は保険会社が負担してくれるケースが多くあります。取得した資格により手当てが発生する場合も多くあります。逆に、取得していないと営業活動ができなくなる資格の場合は人事評価が低くなります。退職を勧奨されることもありますので、保険会社に就職してからの努力も必要になります。
保険会社から別の保険会社への転職を目指す場合は、前の保険会社で取得した資格を記載することが正当な人事評価につながります。資格更新ために講習の受講が必要となる場合は、資格の期限も記載したほうがいいでしょう。逆に、保険会社からの転職希望でありながら必要な資格を取得していない場合は注意が必要です。必要な知識を持っていないという評価や職務に対する適性がないと評価されてしまいます。
生命保険の営業向け就職・転職に有利になる履歴書資格欄の書き方【まとめ】
保険会社が営業職の社員に求める資格は、その多くが就職してから取得しても差し支えありません。会社が資格取得を支援しているケースも多くあります。資格があることは就職活動において武器となりますが、資格があることが決定打になってそのまま採用につながるわけではありません。資格以外の部分が同程度の人材であるなら資格が輝くことになります。むしろ営業職の採用においては、身だしなみやコミュニケーション能力といったものがより重視される傾向があります。資格はそういった営業職に必須な能力を持っていることを前提にしてその上で評価される性質のものです。
資格欄の記載方法に厳密な書き方は原則としてありません。資格欄に記載した内容の不備を理由として不採用になるケースは少ないです。資格以上に、コミュニケーション能力などの人柄の部分が評価されるのが採用活動であることを忘れないようにしましょう。