顧客絶対主義、ビジネスの考え方としては正しいのですが、商品開発の世界においては必ずしも顧客の言ったとおりの商品が売れるとは限りません。
顧客といっても一人ではなく様々な顧客がいて、様々な視点があり、様々な要望があります。
話を聞いてニーズをつかむことは必要ですが、マーケット全体に展開するには、まだまだ揉まなくてはならないし隠された課題があるかもしれません。
顧客の要望もその顧客自分一人のための要望か、他にも同じ考えを持っている人が沢山いるかどうか、他人の共感を生むかどうか判断しなくてはなりません。
生命保険の営業でも注意!ノルマの為の顧客絶対主義の落とし穴
多機能高品質と収益について
日本企業が陥っている停滞の一つに、多機能高品質なのに低収益というものがあります。
顧客の様々な要望に応えようと機能を増やし高品質にはなっているが、他社との差別化ができずどこの会社も似たような商品群となってしまい、あとは価格勝負するしかなくなって下等な値引き競争に走りどんどん低収益になってしまう現象のことです。
顧客の個別対応の要望はきりがありません。
生命保険商品に例をとればこんな保証がある保険が欲しい、あんな保証があればいい、顧客の要望はいくらでも出てきます。
顧客の真の課題を見つけ出す
全てを検討して応えようとするのではなく、取捨選択して根底にある真の課題を情報を分析しながら見つけ出すことです。
根幹に何が不足しているから、もしくは何の保証が弱いから現状になっているのか、要望してくる顧客自体も気づいていないことが多いのです。
医療統計をしっかり分析して20代、30代、40代、50代、60代と医療費は何に払っている率が高いのか、何にお金を使っているのか、そこに手厚い補償ができれば、顧客の期待値に商品のサービスの質が上回り高い顧客満足度を得ることができます。
顧客の期待値と商品のサービスの提供具合の差が大きければ大きいほど顧客満足度は大きくなります。
今3大疾病、ガン、急性心筋梗塞、脳卒中が主流になっていますが、糖尿病患者も結構多いと思いますし、治療の前の検査や人間ドックにも結構お金がかかっていると思われます。
3大疾病になる前の予備軍の段階でそれがわかって保証がつけばより加入する人は増えるのではないでしょうか?
顧客の要望を取捨選択して、問題の本質に迫るものかどうか見極め商品開発に取り組む、無理な課題は切り捨てるこう言った姿勢も大切かと思います。
顧客のアイデアは、ただの個人的な要望か、商品の構造を覆すような画期的なものもあるかもしれません。
顧客との距離を近く置いて常に新鮮な情報を手に入れる工夫も必要かもしれませんね。
ノルマが辛くても顧客の声にストレートに答えすぎてはいけない
顧客の言うことを全て商品に反映させる、これでは機能が多すぎて他社との差別化ができなくなってしまいます。
顧客の声を聴くことは大切ですが、ストレートに商品に反映させると沢山無駄も生じてしまいます。
きちんと分析して顧客の声の裏にある事実や真実をしっかりとらえ、どんな商品にしたらいいのか十分もむことが必要だと考えます。
顧客の声は様々です。個人的な嗜好や価値観にも左右されます。
よく貴重なご意見ありがとうございましたというのがありますが、ほんとに貴重な意見を洗い出すことが大切なのです。
中には業界の構造的問題に根差しているものもあるかもしれません。
その課題を少しずつでも顧客満足の方に持っていければ優れた商品を生み出せるはずです。
生命保険の医療保障も色々な現場の不具合がある事と思われます。
実際に体験した消費者の声を掬い上げ、より良い保険商品にするヒントが隠されていると思います。
そういった貴重な意見を基調だとわかる認識力も営業マンが備えていなければいけない大切な資質ではないでしょうか?