「昭和のサラリーマンと言えば?」と問われて、多くの人が真っ先にパッと頭に浮かぶのは、国民的マンガの「サザエさん」のマスオさんたちだと思います。毎朝、満員電車に詰め込まれ、サービス残業で夜遅くに帰ってくるイキモノです。特に、彼ら営業マンは、仕事終わりはお酒を飲み、休みの日といっても上司や取引先の人たちと接待ゴルフでご機嫌とり、なんて普通でした。
戦後、高度成長期を経て、働きまくることが良しとされていたのです。バブル景気、バブル崩壊と来て、平成、令和の今、営業職もなくなると言われ、絶滅危惧種扱いです。
うまくいかない保険営業!今では考えられない昭和の独特な営業方法は?
うまくいかない保険営業①:営業方法にも時代によってトレンドがあった!~80年代~
「バブル経済」という言葉を聞いたことはないですか?日本の1980年代は、地価が高騰したり、株価も急上昇したりと、景気がアゲアゲの時期でした。そんな中のサラリーマンは、終身雇用で会社への忠誠心が非常に高く、過労死上等で、がむしゃらに働き「モーレツ社員」「企業戦士」という言葉もはやりました。同時に、人々の購買意欲もどんどん高まっていて、企業間の競争も激しかった時代でもあり、お客さまを他の会社よりも取り込めるかを営業に求め続けた時代です。
そんなときの営業は足で稼ぐといわれ、アポなしでの直接訪問という非効率な方法、いわゆる「御用聞き」と呼ばれた方法で売り込みをするのがメインでした。当時は、お客さまへのアプローチの方法が電話か対面以外にありませんでしたから、営業職は自分からお客さまの元へ通い、商品の紹介や販売、ニーズの聞き取りなどを行いました。一方、お客さま側も、欲しいと思った商品があった場合、自分から営業を呼んで相談をしたりして成立していました。
うまくいかない保険営業②:営業方法にも時代によってトレンドがあった!~90年代~
突然バブル経済が崩壊し、それまでの反動で景気は一気に冷え込んで物を買う人が急激に減少した、日本がひっくり返った時代です。
と同時に、Windows95などが発売されたり、それまで一部でしか利用されていなかったインターネットの利用が徐々に一般に普及し始め、買いたい人は、営業される前に自分でなんでも欲しい商品の情報を調べることができるようになり、それまでの飛び込み営業などで売り込む方法が通用しなくなりました。
しかし、企業側もインターネットを利用して営業のやり方を変え、それまで営業職が個人で管理していた情報などもデータベース化して、商品を欲している顧客層を集中して直接アプローチする営業手法などが増えました。さらにWebサイト開設や、それまでFAXで送信していた商品の案内はダイレクトメールなどに進化し、反応率の高い商品を分析して売れる商品やサービスを効率的に営業できるようになり、営業の方法は1980年代からは考えられないほど様変わりしました。
うまくいかない保険営業③:昔の保険営業といえば…
高度成長期頃からはやり出した、会社のお昼休みの訪問という方法が定番でした。高度成長期などの頃は今と違って、給料もどんどん上がり、みんな上がった分だけお金を使っていて、「次は何を買おう」と考えていたサラリーマンが多かったからです。会社のお昼休みには当たり前のように保険営業の人がいるのは日常の光景でした。
でも、昔の営業方法…と改めて考えると、前から非効率などと言われても、会社のお昼休み訪問を始め、飛び込み営業、テレアポ、対面式の商談などは今でも続いています。それは、人と人が直接会わないとわからないことも多く、お互いの人柄や、誠意も見えるとスムーズに商談が進むからです。営業職に大切なことの一つに、雑談力があります。お客さまとの雑談や世間話の中から、相手の悩みや、今の状況を引き出し、今の相手にあった商品を提案できます。確かに、最近多くなったオンラインでの商談でもお客さまの顔も見えるし、移動時間や交通費を削減できるというメリットもありますが、テンポがよくないオンライン上では世間話などをしづらく、よそよそしくなってしまうというデメリットも発生してしまいます。
生命保険の営業職は、人間の役目を果たせる最後の砦
ちょっと前なのに、いつしか、仕事改革が起こり、昔のやり方ではブラック企業と言われる時代になりました。昔のCMのように「5時から男」「24時間戦えますか?」は今は一発アウトです。
インターネットが普及した頃から、一気に仕事のやり方だけでなく、世の中が変わりました。こうしている今も、どんどん進化しています。今は、家にいても、情報や欲しいものが手に入りますが、その分、人と人とのつながりが希薄になっていると感じます。セルフレジもいいけれど、人と会わないで買い物から帰ってくると、なんか変な感じがしませんか?
少子高齢化が著しい社会で営業職が生き残っているのは、やっぱり人間がAIやテクノロジーなどに勝ることもまだいっぱいあり、それを補う役目の最後の砦だからだと思います。