存在している多くの戦略計画立案モデルの中で、ブルーオーシャン戦略が最も平和主義的なものと考えられるかもしれません。
ブルーオーション戦略は、「喉を切り裂き合う競争の結果として何も生まれず、利益が縮小していくなかで戦い合うライバル同士の地の赤い海だけが残る」ことを難じています。
企業は新しい市場空間と業界に再投資するための方法を探すべきです。
要するに、頭を突き合わせての競合を避けて、イノベーションにフォーカスすべきなのです。
生命保険営業の年収アップ戦略！ブルーオーシャン戦略とブルーポンド戦略
ブルーオーシャン戦略の目標は、組織に「ブルーオーシャン」(競合がなく、成長する市場)見つけ育てさせ、「レッドオーシャン」(開発され尽くして飽和した市場)を避けさせることです。
企業はより多くの成功をおさめ、リスクを低減させて、ブルーオシャン市場で利益率を高めることができます。
ブルーオシャン戦略の要約
この戦略計画作成モデルは、複雑な計算や競合的なベンチマークにフォーカスした典型的な経営実践を離れることです。
既に飽和した市場でより多くのシェアを獲得しようと試みる代わりに、ブルーオーシャン戦略は、成長する競合のない市場に需要を創出して、この競合のない空間を押さえ込むことです。
ブルーオーシャン戦略の要点は？
幾つかの戦略計画作成モデルは市場参入の実行時にそれほど適用性のない理論に基づいています。
それに対して、ブルーオーシャン戦略は10年以上行われて30種類以上の業界で企業の盛衰を分析してきた研究から派生したものです。
証明されていない理想よりも、証明済のデータに基づいています。
競合は重要ではありません。
ブルーオーシャンアプローチを採用するということは、目標を競合に優位に立つのでも業界でベストになることでもないことを意味するからです。
貴社の目標は業界の境界線を引き直してその新しい空間内でオペレーションを行い、競合を非物質的なものにすることです。
ブルーオーシャン戦略の例
見ることは信じることなり。ブルーオーシャン市場を捕捉した企業の例を以下に掲げます。
ブルーオーシャン戦略例：iTunes
iTunesが市場に投入されたとき、消費者が不法に音楽をダウンロードする一方で、デジタルの、アラカルトソングの需要に同時に訴求することで記憶媒体業界の問題が解決されました。
iTunesのブルー・オーシャン戦略は、アーティストに利益をもたらし、消費者はアルバム全体の代わりに単一の曲を購入できる、まったく新しいカテゴリの音楽販売形態を創り出したのです。
ブルーオーシャン戦略のプロセス
戦略計画立案を始めると、レッドオーシャンとブルーオーシャンの相違を認識することは色が示すほどには容易ではないことがあります。
ターゲット市場が必要としているもので、目下のところ存在しないものを見極めるところから始めます。
次に、既存の組織がその市場と上手くやっているのか(あるいはそれほどでもないのか)に注目して、どのように差別化できるかを判断します(例えば価格あるいはターゲット顧客)。
このチェックポイントをプロセスの指針として用いて、それぞれのポイントについてブレーンストーミングセッションを開催します。
ブルーオーシャンは、彼らの業界の境界を広げ、消費者に大きな価値を持った何ものかを提供するという課題を企業に突き付けます。
ブルーオーシャン戦略の例を定義して観察することによって、企業はこの戦略的計画作成モデルを実行し、市場の再構築に成功をおさめるための方法を学ぶことができます。
どこに競合的な価値があるかを認識すれば、ブルーオーシャンをチャート付けすることで進捗を追跡する独自の目標と尺度を追加することができます。
ブルーポンド戦略とは？
競合企業との血で血を洗うような激しい競争が惹起するレッドオーシャンよりも、ライバルがいないブルーオーシャンで戦うほうが楽に見えます。
しかし、レッドオーシャンに比べると市場規模が小さいうえ、成功してもすぐに同業他社が参入して「赤い海」になってしまうことが一般的です。
いきなり「海」で勝負するのではなく、小さな池(ポンド)を多く作り出して、有望な市場が見つかれば資源を集中して「オーシャン」に電撃的に急拡大させる手法が現在注目されている「ブルーポンド戦略」です。
ポンドを多く生み出すためには、独創的なアイデアを生み出すことに固執してはいられず、いかに既存ビジネスから「模倣」し、それらを組み合わせて差別化するのかが重要になります。
近年、模倣と差別化による「ブルーポンド戦略」で急成長しているのが、テンセントが出資している中国ベンチャーの「美団点評(メイチュアンディアンビン)」です。
この例からも分かるように、「ブルーポンド戦略」の活用により、テンセントは「マーケットフォロワー」からの脱却を成功させたのです。
テンセントのブルーポンド戦略
WeChatだけでなく、WeChatペイ(オンライン決済)、テンセントゲーム(オンラインゲーム)、テンセントミュージック(音楽配信サービス)、テンセントピクチャーズ(アニメ制作会社)、テンセントビデオ(動画配信サービス)等、さまざまな事業を展開しています。
テンセントピクチャーズで製作したアニメをテンセントビデオで配信しているように、グループ内での連携がとれており、相乗効果で各事業は規模を拡大しています。
ブルーポンド戦略を実践するには既存の事業を模倣することから始まりますが、単に模倣では勝てません。
いかに独自色を出して本家を上回る内容にしなければならないのです。
まずは、ブルーポンド戦略で利益率重視！インセンティブアップを！
マーケティング活動においては既存の市場からシェアを奪還すべく競合との血みどろの戦いで利益をあげられない「レッドオーシャン」戦略を連想しがちですが、競合のほとんど存在しない、潜在性のある市場に参入して一人勝ちする「ブルーオーシャン」戦略もあります。
しかし、いきなりブルーオーシャンを狙うのも大儀なので、比較的小さな池、すなわちブルーポンドを多数創設して利益率の確保を求める「ブルーポンド」戦略も知られています。
